CTS ポッド

エレキギターの電気部分(=アッセンブリ)はシンプルな電気回路ですが、使っているうちにガリが出たり断線してしまったりして調子が悪くなってしまいます。
個体差などありますが、数年たってようやく交換が必要になることもあれば半年も持たないこともあります。
自分の愛機が故障するのはなんともやるせない気持ちになりますが、特に定価で10万円以下の楽器を使用しているお客様には、「グレードアップのチャンス」だと説明しています。
故障したパーツをグレードの高いパーツに交換すれば、それだけサウンドや機能、道具としての信頼が向上することになります。

最も故障しやすいのはアウトプットジャックではないでしょうか。
安いパーツだとシールドを差してもいまいち安定感がなく、ぐらぐらした印象を与えるものです。 ジャックについては「スイッチクラフト(SWITCHCRAFT)」社製が唯一にして最高です。
楽器屋などで手に入る普通の国産モノラルジャックがおおむね¥300程度、ギターにもともと搭載されているジャックはもっと安いかもしれません。 一方スイッチクラフトでは¥600ほどしますが、この価格差は伊達ではなく、高級なギターには当然のように採用されています。
シールドを抜き差ししたときの「カチ。」というしっかり感は、ユーザーに安心を与えてくれますし、耐用年数も(経験上ですが)倍くらい違います。
SWITCHCRAFT

 
次に故障しやすいのはボリュームポットだと思います。「ポッド」と勘違いしている方が多いですが、「ポット」です。
これは電気的な性能、部品としての剛性ともに、国産が最高です。
入力される音をそのままアウトプットできる周波数特性、ぐらつかないシャフト、シャフトと回路が絶縁してあり金属ノブを使用してもタッチノイズが出ないなど、無敵の性能を誇ります。
しかしギターに採用される最高のポットは「CTS」製です。
CTS ポッド
ライバル企業も多くありますが、高級楽器にはたいがいCTSポットが採用されています。 これについては実際に国産とCTSとを同じ楽器で比べてみなければ実感できないと思いますが、CTSの絶妙に悪い周波数特性により、不愉快な高周波がカットされて大変聞きやすい音になります。
前の週の練習では引きつっていたバンドメンバーの顔が、翌週には笑顔になった経験が筆者にはありますが、それ以来ポットは一貫してCTSです。
価格は国産が¥400前後、CTSは¥800前後、国産でもシャフトが絶縁してあるものは¥800程度ですが、CTSにはシャフトがナイロンでできているものがあり、これも¥800程度で手に入ります。
耐用年数に違いがある実感はありませんが、違いは確実に音に出ます。本当は故障していなくても交換をお勧めしたいくらいです。

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