Washburn N4 Korina Nuno Bettencourt

エレキギターにおいて、ネックとボディの接合部分「ヒール」の形状は、かなり重要なポイントです。
ギター専門誌などで新製品として紹介される楽器のほとんどが、
このヒール部分をアップでとらえた写真を伴うことからも、 それを感じることができます。

フェンダー トッド・クラウス

Fender C/S MBS Todd Krause JeffBeck

例えばストラトをベースにして、機能やデザイン等にいろいろなアレンジを加えたギターが、
いろいろなメーカーから生産されています。特にテクニカル志向の楽器に多いのが、ヒール部分を丸く削ったり、
斜めに削って厚みを落としたりといった、弾きやすさを向上させるための工夫です。
ワッシュバーンのヌーノ・ベッテンコートモデルなんかはこのヒール部分を完全に除去してしまっていますし、
ESPのあるモデルでは、スルーネックと区別がつかないように、 ボディとネックとのつなぎ目を
極端に滑らかな仕上げにする接合手段を採用しています。
こういった工夫に対して、雑誌の紹介などでは常に「ハイポジションでの演奏性を向上」などと説明されます。
ワッシュバーン N4 ネックヒール

Washburn N4 Korina Nuno Bettencourt

こういったヒールに対する工夫ですが、
実は「音が良くなる工夫ではない」ということを理解しておく必要があるでしょう。
ヒールはネックをボディにしっかり固定する土台になりますから、ここを削ってしまうと、
ネックの接合部分ひいては楽器全体の剛性を損なうことになり、結果、「弦を振動させた時に、
ネックとボディをあわせたギター全体がどのように振動を受け止めるか」が変わっていき、
これが楽器のサウンドに影響します。
 
筆者の全くの偏見で断言しますと、ヒールを削れば削るほど、音は悪くなります。
抜けとか、コシとか、そういった「何となく感じることができる」ところが大きくマイナスになります。
 
このようにヒールを削って弾きやすくした楽器には、サウンド面でのデメリットが確実に発生するのですが、
アンプやエフェクタで十分カバーすることができます。
しかしヒールのボリュームが十分にある楽器を持ってきていたら、 機材でカバーしなくても良くなるわけです。
ハイポジションが弾きやすくなる反面、機材でフォローするのか、
若干ヒールの出っ張りに苦労しながらも、機材的なフォローを必要としないのか。
どちらを選択するべきかは、 プレイヤー本人が考えたり考えなかったりして決めることです。
 
アンプやエフェクタまで含めたひとつのシステムとしてエレキギターを捉えるか、
あくまでもギター本体がエレキギターというものだと捉えるか・・・なんだか禅問答みたいですね。

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