希少CuNiFe HB搭載、76年製シンライン。
ボディ塗装剥離があります。

1976年製 Fender Telecaster Thinline、セカンドバージョンの入荷です。1972年の刷新以降、このモデルを特別な存在にしているのは、Seth Lover(セス・ラバー) 設計による 「Wide Range Humbucker」 を搭載している点にあります。しかも当時のオリジナルだけが持つ CuNiFe(クニフェ)マグネットポールピース を採用しており、現行リイシューには再現できない独自のサウンドと希少性を誇ります。
CuNiFe は加工の難しさから長らく製造されず、70年代当時の Wide Range HB にしか存在しない仕様です。そのため、この時期のオリジナルはコレクターからも高い人気を集めています。通常のハムバッカーよりもレンジが広く、クリアさを兼ね備えながら、中低域には圧倒的な厚みと伸びやかさをプラス。セミホロウ構造との組み合わせにより、立体的で奥行きのあるトーンを生み出します。
ボディはアッシュ材のセミホロウ構造にFホールを装備し、軽量で取り回しが良く、独特の箱鳴り感を実現。ネックはメイプル材、3点止めジョイントとブレット・トラスロッドを採用するなど、70年代フェンダーの特徴的なディテールを備えています。大ぶりなピックガードと2Vol/2Tone+3Wayセレクターの操作系統も、この時期ならではの存在感を放ちます。
ピックアップは1975年スタンプ入りのオリジナル Wide Range Humbucker、トーンポットも1975年デートコードが確認されており、主要な電子パーツは当時のまま残されています。CuNiFeならではのクリアかつレンジの広い特性により、クリーンでは煌びやかで奥行きのある響き、ドライブでは芯のあるサスティンと力強さを兼ね備えており、ジャンルを問わず幅広く対応できる一本です。
※ボディのラッカー部分のトップコート塗装はほとんど剥がれ、下地が露出しています。また、ヘッドストックの塗装は写真のように激しく変色しています。
(おそらく前オーナーがラッカー塗装のボディ軟化部分をポリッシュで磨いた結果、徐々に剥がれたものと推測されます。変色塗装が不均一に残って美観を損ねていた部分は、当店にて丁寧に剥がしております。
※ブリッジサドルは「Lawrence」刻印入りで、おそらく変更されていると思いますが、定かではありません。また、ボリュームポットも交換されていますが、その他は全てオリジナルです。
※その他、傷や金属パーツの錆、使用感等は年代なりにございますが、大きなダメージはなく演奏性は良好です。
※フレットは過去に一度打ち換えたとの事でしたが、ローフレットを中心に凹みが見られ、相対的には6割残程度です。
ネック状態は特に問題ございません。











