
2008年製、Gibson C/S “ノンリバ/ファイアーバード”の入荷。
TVイエローのように変色したプロポーション抜群の個体。
1963年当時、ギブソンはモデルのヴァリエーションが豊富なフェンダーに対抗すべく、カーデザイナーであるレイ・デートリッヒ氏にデザインを依頼し「火の鳥」という所以のとおり優美な流線型のボディラインを持つ”Firebird(ファイアーバード)”を発表しました。強い意気込みの元、発売された”ファイアーバード”でしたが、スルーネック構造を採用したことによる生産性の低さの問題やボディ形状が、フェンダーの「オフセット・コンターボディ」のパテントに抵触する可能性を指摘されたことなどから、65年中期にはフル・モデル・チェンジが実施されることになりました。新たなモデルは、従来の「リヴァース」スタイルのボディとヘッドを裏返したようなスタイルになったため、通称「ノン・リヴァース」”ファイアーバード”と呼ばれるようになり、ピックアップのヴァリエーションや装備パーツの違いにより[Ⅰ(1)、Ⅲ(3)、Ⅴ(5)、Ⅶ(7)]等、グレードの違いを表現するというスタイルになっていきました。
本器は、2008年に”Gibson Custom Shop”にて製作された”Non Reverse Firebird VII “です。カスタムショップにより復刻された本モデルには、ハンドクラフトによるヴィンテージ実器に忠実な形状、製法がふんだんに取り入れられており、申し分ないルックス、フィーリング、サウンドを誇るギターに仕上げられています。
マホガニーボディ/マホガニーネック/ローズウッド指板のウッドマテリアル、セットネック、ゴールド ハードウェア、クラシックな Firebird ミニ ハムバッカー 3 基、ABR ブリッジとストップ テールピース、小さなボタンの Grover チューナーが採用されています。
ニトロセルロース ラッカー仕上げのカラーは、白黒のテレビ時代に映りが良く見えるように開発されたといわれる”TVホワイト”が採用されていますが、経年によりイエロー寄りに変色したプロポーション抜群の個体です。
“Mini-Humbucker”による、明瞭で切れの良い特徴的なサウンド、通常のハムバッカーよりも高音域が強調されるため、クリーンでクリアなトーンから軽くドライブさせたクランチサウンドがとても魅力的で、特に、ブルース/ロック/ジャズなどで非常に良いパフォーマンスを発揮します。