
1978製”Rickenbacker 320″の325仕様。
乾いたヴィンテージトーンに貫禄と存在感のあるルックス。
Rickenbacker(リッケンバッカー)は、英国アーティストに多く愛用されているイメージとは裏腹に、90年以上の歴史を持つアメリカの楽器メーカーです。プロ・アマ問わず多くのプレイヤーに愛され続け、現在でも小規模のハンドメイド製造を守り続けている稀有なメーカーです。ひと目でリッケンバッカーだとわかる風格あるルックスと個性的な設計は、古くから続いてきたメーカーだからこその特徴です。
当機は、1978年頃に製造されたショートスケールの代表モデル”Rickenbacker 320″。
ジョン・レノンの使用で”The Beatles”60’s Britsh Beatファンにはお馴染みの、Rickenbacker 325のアーム無し仕様がこの320なのですが、この個体は、Rテールピースが取り外され、ビグスビータイプのアームを取り付けた”325″仕様となっております。
サウンドホールを持たないメイプルのセミホロウボディに、ショートスケールのメイプルネックがセットインされ、指板は塗装が施されたローズウッドのウッドマテリアルを採用。ピックアップは、Rickenbacker ハイゲイン・ピックアップを3基搭載した3ピックアップ・レイアウトで、コントロールは、3Wayのピックアップ・セレクターと2Vol/2Tone/バランサーの仕様です。
セミホロウ構造による軽い箱鳴り感、温かみとオールド感のあるエアー感を持ちつつもメイプル材ならではの硬質で芯のあるサウンドは、特に「歌もの」のバンドで使いやすく、ヴィンテージならではの乾いたトーンの味わいを持った唯一無二のRickenbacker 320サウンドを生み出しています。
塗装は非常に薄いオールラッカーでのフィニッシュで、50年近く経過した個体なりに小傷やバックル傷等はそれなりにございますが、ナチュラルレリックな貫禄と存在感がありヴィンテージファンにはたまらないルックスを持った1本です。
この320は非常にショートスケール・ネックで、フレット間の幅も狭く、通常のエレキギター同様の演奏性や安定性は得られず、やはり万人向けのギターではありませんが、その分、この300系列のギターでしか出せないサウンド、テイストを持っており、そういったサウンドには欠かせない唯一無二の存在です。