フェンダーUSA(Fender USA)とフェンダー・ジャパン(Fender Japan)、
サドウスキー(Sadowsky)とメトロライン(metroline=かつてのサドウスキー・トーキョー)のように、
エレキギターメーカーではUSAが上位ブランドでその下に日本がついているというイメージが定着していると思いますが、その逆でUSAで量産ラインの楽器生産を行う傍ら、日本でカスタムショップを運営しているのが「シェクター・ギター・リサーチ(SCHECTER Guitar Research)」です。
本来シェクターは、フェンダー系のギターの交換用パーツを作ることのできるリペアショップから発展したメーカーで、フェンダースタイルを踏襲しつつ、珍しいボディ材やインパクトの強いカラーリングで個性を主張していたメーカーでした。
オーダーメイドに積極的に対応し、グレードの高い楽器を生産していましたが、
企業買収や社長の交代で経営方針が変わったようです。
このシェクターが現在広く展開している「ダイアモンドシリーズ」というラインナップは、
フェンダースタイルから離脱した、ハードロック/ヘヴィーメタル向けの重厚なルックスが特徴です。
韓国で生産、カリフォルニアでセットアップという工程により、低価格&高品質を実現させています。
「ハムバッカー2基搭載」、「ダブルカッタウェイ」、「アーチトップ」、「片側3連ペグのヘッド」、
「24フレット」が多くのモデルに共通した特徴で、「ヘルレイザー(Hellraiser)」、「ブラックジャック(Blackjack)」など
色々なネーミングを付けながらもルックス的には共通点の多いプロダクツを展開しています。
これを基本として
・ボディ材はにマホガニーを基本としてアッシュやアルダー、バスウッドもあり、
・PU にはシェクター製だけでなくダンカンやEMGが採用され、
・ネック材にはマホガニーとメイプルが、
・ネックの接続方法はボルトオン、セットネック、スルーネックがあり、
・ブリッジにはFRT、ハードテイル、チューン・O・マチックがあり、
・7弦、8弦、9弦までの多弦、サスティナー搭載もあり、
というように、プレイヤーとしてこだわりたいスペックのバリエーションを、非常に多く取り揃えています。7弦でFRTとサスティナーがついているギターなんてどうやって弾きこなすのか全く想像ができませんが、「見た目ではなく内容でバリエーションを増やす」というコンセプトが強烈に感じられます。
ストラトをやや小さくした、いわゆる「ディンキー」スタイルのギターで、マホガニーネックを採用しているものはなかなか珍しく、ひと味違うギターを求めているプレイヤーに対して強くアピールできるポイントになっています。