同タイトルだった前作の続きです。現在「G 、C、D7、Em」の4つのコードが使用できるようになっており、この時点でたくさんの曲にトライできるようになっています。 数多の初級ギタリストを挫折させてきた「F」を知らない時点でも、できることがたくさんあることがわかりますね。
ここで一旦、「いっこずつ増やす」ことから「あれもこれも一気に覚えようとしない」というテーマに切り替えます。
5)「だいたい同じ」ものはひとまずスルー
これまでも「D」と「D7」、「G」と「G7」、「Em」と「Em7」はだいたい同じにしました。
この「だいたい同じ」に「sus4」と「add9」も加えてしまいましょう。
以下、アコギを持って日が浅いうちは割愛してもいいコードを紹介します。
Dsus4とD7sus4、Dadd9は、だいたいD7と同じ。 D on C、D on F#などオンコードもだいたいD7と同じ。
Gsus4とG7sus4、Gadd9は、だいたいGと同じ。 Csus4とC7sus4、Cadd9は、だいたいCと同じ。
Em7 on Dは、だいたいEmと同じ。 G on B は、だいたいGと同じ。
こうなると、たとえばテイラー・スイフトの「We are never ever getting back together」の基本コード、 「Cadd9、G、Dsus4、Em、Em7 on D」という一見複雑なコードが、「C、G、D7、Em」というように、とてもシンプルになります。
この順番で延々と演奏するのがこの曲です。テイラー・スイフトさんご本人は、右手のテクニックを駆使して抑揚や展開をつけてこの曲を弾き語っています。そしてまた、路線をもとに戻します。
6)Amを追加(G、Am、C、D7、Em)
いよいよコードが5個になりました。
例によってAm7とAmはだいたい同じとし、Amで統一します。 Am on GやAm7 on Gも、今のところAmで大丈夫です。
1弦がきれいに鳴り響いたら一人前です。6弦を鳴らなくするのは工夫がいるかもしれません。
このコードを用いた極めてシンプルな曲の好例がボブ・ディランの「Knocking on Heaven’s Door」で、
「G、D7、Am」を徹頭徹尾繰り返せばオッケー。
5つを全て使った曲として理想的な曲は、長淵剛の「とんぼ」です。 原曲とキーは違いますが、CCR(=Creedence Clean Water Revival)の「雨を見たかい」も歌いだしがGからスタートするように移調すれば大丈夫です。
5カポすると原曲どおりになります。
7)B7を追加(G、Am、B7、C、D7、Em)
遂に難しいコードが出てきますが、井上陽水の「夢の中へ」なら後半に1小節出てくるだけですので、比較的容易に弾きこなすことができるでしょう。
レベッカの「フレンズ」、五輪真弓の「恋人よ」もいけます。フォークの名曲、伊勢正三の「21才の別れ」もコードだけならいけます。
ビートルズの「All you need is love」なんていう名曲にも、この段階で挑戦することができます。
筆者の知る上でもっともB7の練習になるパワフルな曲は、吉田拓郎の「旅の宿」です。「いったい何回B7を弾けばいいのか」と、天を仰ぎたくなります。
選曲が古いのは筆者の世代的な問題ですが、最近のポップスは響きが複雑なものが多く、なかなか弾きやすい曲に巡り合うことができまないという印象も感じています。
ロック系のアーティストの曲はシンプルなものが多いようにも思えますので、
探せば現代の曲でもきっといい練習曲に出会えるでしょう。
ゆずやスピッツは簡単な曲が多いと一般に言われているようですが、簡単だと思うためにはFをマスターすることが必須になります。
Mr.Children、コブクロ、サザンオールスターズ、スキマスイッチ、スガシカオ、秦基博、斉藤和義、いきものがかりの曲を弾きたいのだが、 というお客様が多くいらっしゃいますが、こちらとしては「いっぱい練習してくださいね☆」と応援するしかありません。
ひとまずここまでにいたします。「コードチェンジの練習」の一点にポイントを絞ってご紹介しました。
「F」についてはまた次の機会にいたします。
まだまだ響きのバリエーションや右手で出すリズムの変化、 アルペジオなど定番のスタイル、
覚えることはたくさんありますが、
ここまで来るだけでもきっとギターというものを楽しむことができると思います。