80年頃に製造されたフェルナンデス”石ロゴ期”のストラトモデル。
それまで形だけのコピー楽器が多かった業界へ本格的な設計の楽器を持ち込み、プロ・アマ問わず広い支持を得ました。
当初は主にフェンダーやギブソンのコピーモデルを販売していましたが”Fernandes”は楽器製造部門を持たず、企画販売のみを行い、基本的にカワイ楽器やトーカイ楽器にてOEM製造されています。
ストラトキャスターのコピーモデルは初期にCBSラージヘッドモデルからスタートし、1977年頃からオールドモデル(スモールヘッド)の製造に切り替わっていきました。「使えるオールド」というポリシーのもと徹底したコピーにより本家からクレームがついたのは有名な話です。
当機は、80年頃に製造された”石ロゴ”期のストラトキャスターモデル。この後”完全リアルコピー”のリバイバルシリーズ(RST)へと移行していく過渡期のモデルです。
スモールヘッドにメイプル指板、21F仕様、ホワイトカラーのフィニッシュでプロポーションも良く、当時のコピー戦争を戦い抜いてきただけあってクオリティの高い作りで抜群のサウンドと演奏性を誇る個体です。
本体重量は実測で約3.7kgとストラトにしては重量が有り、ボディ材はおそらく”シルバーハート”が使用されていると思われますが、確信は持てません。
特にリペアや改造の痕跡は見られませんでした。資料が乏しく過渡期の仕様の為、型番等は正確でない可能性があり、細かい部分での詳細は不明ですが、古い国産ギターに造詣の深い方にご検討頂ければ幸いです。