ギターを売却する際、多くのオーナーが気にするのは、できるだけ高値で取引を成立させることです。その為の方法として、”事前にメンテナンスやクリーニングを行った上で査定依頼したほうが高額査定に繋がる”と考えられているのが一般的です。実際に買い取り業者の広告やホームページにも高額査定を得る方法として推奨されている事が多いと思います。
今回は、この件について深く掘り下げてみたいと思います。
【楽器の印象】
まず、きれいにクリーニングされた楽器は査定する際の印象が違います。
これまで大切に扱われてきた楽器かそうでないかという査定のポイントに直結します。
傷や汚れが目立つギターの場合は、長年放置されてきた印象を与える為、慎重な査定をする場合が一般的です。
汚れや錆がたまると、ギターの音質も劣化する可能性があり、演奏性に影響を与える場合も少なくありません。
また、紙タバコの匂いやヤニが付着した個体も評価が下がる事があります。
買取店も外観を重視し、きれいな状態のギターには第一印象で高い評価を与えます。
【ギターのメンテナンス】
外観よりも重要なのが、その楽器の演奏性です。フレットの著しい減りや錆、ネックの反り/ハイ起き等、アコースティックギターに関しては、もっとチェック項目が多く、弦高/トップ浮/ブリッジの剥がれ/ブレーシングの剥がれ等のチェックも行いますので、演奏した時に違和感がある楽器は、詳細なチェックが必要になり、その結果不具合が見つかると評価が下がってしまいます。慣れている方は、メンテナンスを施したうえで持ち込む事は、自身で楽器の状態を把握する意味でも有意義であると同時に査定する側も安心感があるため、簡単なチェックでMAXの査定額を獲得できる可能性が高いです。
【リサイクル店での売却】
最近は、リサイクル店でも楽器に詳しい専門のスタッフがいて、買取額も専門店と遜色がない店舗もありますが、ギターに関して知識のないようなリサイクル店では、外観が重視され演奏性にかかわる状態に関してはスルーされる事もあります。買い取った楽器は埃等を払ってそのまま店頭に並ぶこともありますが、このような販売方法は様々なリスクがあり、リスクヘッジが反映される為、元々の買取額が低いという背景もあります。
◎ギターを買取店に売る際の”メンテナンスとクリーニング”
【意外な真実】
ギターを買取店に売る際、多くの人がメンテナンスやクリーニングを行うことで高値を期待しますが、実はそれが必ずしも買取金額に直結するわけではありません。専門店の場合、買取後に店の基準で調整やクリーニングを行うため、売る側が事前に行ったメンテナンスはあまり影響を与えないことがあります。さらに、素人が行う調整やクリーニングは逆に楽器に悪影響を与える可能性もあり、売る側が事前に行ったメンテナスやクリーニングが店舗の基準に沿っていない場合、逆に買取金額に影響を与えることもあります。
※当店で買取りさせて頂いたギターは、最低でもフレット磨き/指板の保湿とクリーニング/ポリッシュがけ/ネック調整を行った上で店頭に並びますので、何もせずにそのままの状態で持ち込まれたギターでも、通常のルーティン上でかかるコストが変わることはなく査定額が下がることは少ないです。
ただし、演奏上で致命的な瑕疵があり調整自体が困難な楽器やタバコのヤニ等が付着しているラッカー塗装のギター等、当店の基準に満たない状態で市場に流通させざるを得ないモノや追加でリペアが必要な個体は評価額が下がる場合もございます。査定の根拠はできるだけわかりやすく説明致しますが、事前にご相談頂ければ、アドバイスをする事も可能です。
以上のように対応は店舗によって様々なので一概には言えませんが、信頼できる買取り店舗を選択することが重要だと思います。少し手間はかかりますが、事前に電話等で問い合わせをしてみれば、その店舗の特性がわかると思います。
最近は、ネット広告等で専門店ではないのに専門店を謳う業者のホームページも多いので少しつっこんだ内容を質問してみれば見極めることも可能だと思います。