出版されているものを取り寄せたりネットからダウンロードしたりするなど、現在ではいろんな譜面が比較的簡単に手に入ります。
しかし1曲のためにアルバム1枚分のバンドスコアを買わなければならなかったり、そもそも譜面が作られていなかったり、ということは今でも普通にありますよね。
耳コピ出来るとカッコイイし、余計なお金もかからないし、なによりデキるミュージシャンとしては是非持っていたいスキルです。
というワケで、今回は耳コピーが出来るようにするためのコツや便利なアイテムを紹介します。
1)声に出す。
音楽の鍛錬には、「歌う」ことが欠かせません。歌メロやリズム、ギターのフレーズ、ベースライン、コードでもトップノートなど、聴いた音を実際に声に出し、それを楽器で再現します。
頭の中で思っているだけよりも、声に出した方がずっとクリアに音を認識できます。
コレが完全に出来たら、以下に紹介する事は何の意味もなさなくなるくらい重要です。
2)理論の勉強をする。
理論が分からないまま感覚だけで全てが出来るのは、一部の天才だけです。
理論はツールですから、いる分だけでも覚えておきましょう。歌メロを拾えばキーが分かり、キーが分かればどんなコードが使われるのが普通かが分かりますから、聞き取りにくい音を導きだすヒントになります。
3)チューニングをシビアに合わせる。
楽器のピッチが狂っていると、音源と合わせた時、たとえ音源通りに弾いていたとしても「正解に辿り着いた」実感が湧きません。
オクターブ調整など楽器のセッティングをキチンとし、きっちりチューニングしてから耳コピーに取りかかりましょう。
経験上、チューナーの精度が高いと耳コピーはとてもはかどります。ピターソンからクリップ式のストロボチューナー「Strobo Clip 」が出ていますが、このような高精度のチューナーは大変重宝します。
4)「イイ音」で聴く。
「音はカネで買える」みたいな誤解を生みそうですが、どんな機器で音源を聴くかは大変重要です。
できるだけ高性能なステレオで聴くようにしてください。特にベース音はiPhoneのスピーカでは全く聴こえませんし、小さなステレオでは明確に聞き取る事が大変困難です。
スピーカの性能を上げるだけでも相当クリアに聴こえるようになり、耳コピが楽しくなります。高品質のヘッドホンを使用するのもお勧めです。
SONYの「MDR-CD900ST」などはレコーディングスタジオ御用達ですから、まず間違いありません。
5)ゆっくりにして聴く。
便利な時代です。昔はテープの回転数を下げて再生させる耳コピー専用ツールがありましたが、現在ではタスカムからCDをスロー再生したりキーを変更したりできるCDトレーナー、MP3を使用するトレーニングツールなど、便利な耳コピ&練習ツールが出ています。
エフェクタが入っていたりレコーダが入っていたり、専用機ならではの便利さが味わえます。Windows 派の方には、スロー再生の定番フリーウェア「聞々ハヤえもん」がお勧めです。音源のテンポとキーが変更できるだけでなく、iTunesのライブラリからドラッグ&ドロップで利用できるので大変便利です。
6)ちょうどいいところで止める。
耳コピを続けていると、だんだん細かなニュアンスがくっきり聞き取れるようになります。
しかしあまりに細かい所にこだわりすぎると、なかなか先に進む事が出来ません。
「このニュアンスは是非オレのものにしたい!!」というモチベーションをかき立てるもの以外は、譜面に書ける範囲までの耳コピで止めておいた方がいいでしょう。
1コーラス目と2コーラス目で演奏内容がちょっと違うなども、音楽上絶対必要だと思われる者でなければ、付き合いきれないものはスルーした方がいいでしょう。