生産は完了してしまいましたが、グレコ(GRECO)がゼマティス(ZEMAITIS)と正規ライセンス契約を締結し、「グレコ・ゼマティス(GRECO ZEMAITIS)」シリーズを展開した時には大きな話題になりました。
現在のグレコは、オリジナルモデルを中心にラインナップを展開している「老舗ブランド」として存在感を発揮しています。
ギブソンから提訴された事で生産ができなくなってしまいましたが、やはり「グレコといえばレスポールだ」と、おじさん的には思います。その昔、ロックバンド「すかんち」を率いていたローリー寺西氏がレスポールタイプを愛用、「JUN SKY WALKER(S)」の森純太氏がレスポールカスタムタイプをサブで常備、
「PRINCESS PRINCESS」の中山加奈子氏がSGタイプを愛用など、「グレコ=ギブソンコピー」という時代がありました。
グレコがレスポールタイプのギターで成功を収めた裏には、
達人ギタープレイヤー成毛茂(なるもしげる。1947-2007)氏の功績がありました。
成毛氏は、自分のこだわりを詰め込んだレスポールをフジゲンにオーダーし、
ステージやレコーディングで愛用するようになったのですが、
自社製品のOEM製造をフジゲンに依頼していたグレコがこれに注目、
成毛氏をオブザーバーに据えてレスポールタイプを開発するに至ったのです。
この結果1970年に発表された「EG-360」は、レスポールのルックスでありながら薄くて細いネックグリップ、デタッチャブルネック、プレス成形のアーチトップを持つホロウボディ、樹脂製ブリッジサドル、
ということで本家レスポールとは全く異なる仕様でした。
しかし楽器としての完成度が高く、ジミー・ペイジがレッドツェッペリンの来日公演で使用した事もあり、爆発的なヒット。
のちに「日本に於ける本格的なロック時代の幕開けを象徴する名機」とまで言われます。
「グレコ=ギブソンコピー」時代の幕開けです。
この成毛氏は、自身の音楽活動のかたわら1982年から1991年にかけて深夜ラジオ番組「パープルエキスプレス」で、ギターキッズにレクチャーを続けたり、教則ビデオ「Dr.シーゲルの よい子のロックギター」シリーズを発表するなど、
・Dr. シーゲルのよい子のロックギター(ピッキング編)
https://www.youtube.com/watch?v=fq-Fw2XhoQw
・Dr. シーゲルのよい子のロックギター(リズム編)
https://www.youtube.com/watch?v=huvMz82LYkw
ノウハウの伝達にチカラを入れていた指導者でもあります。
動画は初心者向けといいながら、とても濃い内容です。昔お世話になって懐かしい、という方も多い事でしょう。
成毛氏を知らないという方々にも、是非観て頂きたい動画です。冒頭の超絶デモ演奏、早口だが解りやすい説明。
60歳で亡くなったのが悔やまれます。