「手が小さい」ということを理由にして小さな楽器や握りの細い楽器しか選ばないのは、
それだけ選択の幅が狭まってしまいますからもったいない事です。
しかしながら小学校低学年など体格的に普通サイズは無理、ということもあるでしょう。
小型の楽器は軽くて取り回しが良く、ちょっと持っていくのに便利ですから、
普通サイズのギターが弾ける人でもトラベルギターとして小型のギターを持つ事があります。
例えばバイオリンでは「分数バイオリン」と言って、年齢や体格に合わせてダウンサイジングした子供用バイオリンの規格があり、オモチャではないガチの楽器として認知されています。ところがギターにおいては子供用という規格はなく、各メーカーが独自のミニギターを作っており大きさ(小ささ)は様々、楽器とは呼び難いものも多くありますので注意が必要です。
低学年のお子様向けと考えるなら、あまり安っぽいミニギターは避けた方がいいでしょう。
ネックの反りやナットの高さなど、しっかり調整して弾きやすくすることができないレベルのものは、弾きにくいし音は悪いしで、楽器が好きになれずに練習もろくにせず教室に通っているだけ、なんてことになりかねません。
低学年向けにはまず、ギタレレがお勧めです。
これは本来普通のギターより2音半高くチューニングする「クラシックギターとウクレレのあいのこ」ですが、あえて通常のギターと同じチューニングにして弾きます。
ここまでやれば、子供の指の力でらくらく押さえられるからです。
低学年向けのエレキギターとしては、フェルナンデスの「ZO-3」はあまりおすすめしません。
座って構えた時にバランスがとりにくいからです。
とは言え、ある程度弾ける人のおもちゃとして考えれば、ヒットした理由もわかります。
アーティストのペイントをまねたモデルやキャラクターのパロディ、また本格的なエフェクターを搭載した、「DIGI-ZO」などもあり、アウトドア等にも気軽に持ち出せて、とても楽しいと思います。
基本的にはピグノーズか、ストラトやレスポールをかたどったミニギターがいいでしょう。
とはいえ特にエレキギターの場合、ミニギターは半分オモチャのノリで作ることが多く、新品でも調整が必要な場合が多くあります。
大人がメインで使っても遜色ないグレードの高いミニギターはあるのか、というのはなかなか難しい質問です。
アコギの分野ではモーリスのミニフォークシリーズ(LA-22)は値段相応によく出来ています。最高クラスにはテイラーの「ベイビーテイラー」がありますね。
一方エレキギターの場合、まず「ショートスケール」の楽器を選びます。
多少の違いこそあれ、ショートスケールの寸法はだいたい同じです。
ジョン・レノンが愛用したリッケンバッカー325、またCHARのトレードマークだったフェンダーのムスタングあたりが有名でしょうか。
ギターの場合弦のテンションがサウンドに大きく影響しますから、本当はあまり小さくしたくありません。
クラシックギターもフォークギターも時代を経るに従い大型化してきました。
現在の普通サイズが、良い音の為のサイズですので、小型の楽器からギターを始めたという方も、是非普通サイズにトライしてみて下さい。